農家の本分は、自然の流れを読んで、地域の人々の暮らしを守ること。
  • 農業家石橋 千賀良さん
1991年、東京都生まれ。東京農業大学卒業後、千葉県の農業法人で研修。25歳で独立、「七草農園」を設立する。2018年、両親と共に高梁市有漢町に移住。耕作放棄地を復活させ、年間120種類の有機無農薬野菜を育てる。株式会社年貢の代表取締役。
 「とんでもないところに来た!」が、有漢町に抱いた第一印象。「余生を楽しみたい」と父が選んだ移住先は傾斜地が多く不便で危険。「どこに行ってもやりようはある」と千葉の農園を引き払ったものの、30年以上の耕作放棄地を前に茫然自失、孤独感に襲われた。トラクターの使えない600坪の荒地を、ほとんど一人で12月から4カ月かけて畑にした。尊敬する師匠に学んだ農業の腕を発揮すると、「なんで畝がこの幅?」「これどうやったら育つん?」と興味を持たれた。地元の人に一目置かれるまで時間はかからなかった。「ぐちを言う時間がもったいない。ここで楽しめることを考えよう」。裕次郎カット(?)に中高時代から愛用の制服を着た、カウボーイにあこがれる“ユニークな東京もん”は、会う人全員に心を開き、農業を語り、好きなことを伝えていく。農業を仲立ちに交流空間をつくってにぎわいを生み出したいと、近所の古家を借りた。クラウドファンディングで資金を集めリノベーションした「風風(ふうふう)」には、町内外から面白い人たちが集まり、やりたいことを語り合う。
「農家の役割は単に作物を作ることじゃない。本分は、自然の流れを読み、異常気象や環境変化などを察知して地域に暮らす人たちの暮らしを守ること」。江戸時代の古文書をテキストに、農業の使命をオンラインサロンで発信する予定だ。
交流空間「風風」(右)には町内外から面白い人が集まる
移住理由
岡山移住を決めた両親に、長男として同行
岡山のここが好き

①顔見知りになったらとても友好的

②自分を面白がって自由にやらせてくれる

CHIKARA ISHIBASHI
岡山たからもん
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