起業の原点は「社会課題の解決」

株式会社ABABA 代表取締役

久保駿貴(25歳)

就活生の「絶望」を「希望」に変える。

 「ABABA(アババ)」は、就活生の「絶望」を「希望」へと変える採用サービスだ。岡山大学在学中の2020年に創業。最終面接で自社に採用しなかった学生を、企業がABABA上に「推薦」。それが学生には “次へのチケット”だ。また、自分で最終選考までの実績を登録し、自己PRもできる。この「推薦」や「実績」の情報を活用し、別の企業が採用に生かす。学生にとっては最終面接まで頑張ったことが評価され、類似企業や優良企業にスカウトされるチャンスになり、企業にとっては優秀な人材を見つけるのに要する時間と費用の抑制にもつながる。ABABAはGSEA関西大会準優勝、岡山イノベーションコンテスト・グランプリ、CVG全国大会経済産業大臣賞などを受賞。久保さんは気鋭の起業家としてマスメディアにたびたび取り上げられ、注目を集めている。

プロセスが評価される仕組みを。

 ABABA着想のきっかけは、就職活動に失敗した親友の姿だった。頑張って最終面接まで残っても、不採用の通知を受け取った瞬間、それまでの努力や成果が無になってしまう。「プロセスが評価される仕組みがない」という課題を発見した。それまで2つの事業を立ち上げて失敗した経験を生かし、事業設計を固めた。学生や企業にしっかりヒアリングを行い、信頼できるパートナーとチームを組んだ。サービス開始半年で学生登録1000名、企業登録100社を突破。東京に本社を移し、22年12月現在、学生登録は1万2000人、企業登録は500社を超えた。

自分のサービスで人の役に立てた!

 創業して一番うれしかったのは「(就職が)決まりましたー !」という一本の電話。自分のサービスで人の役に立てた!と手ごたえを感じた。自社の採用も「最終面接に落ちた痛み、このサービスがどれほど必要か、価値があるか、自分事として感じることのできる人に仲間になってもらいたい」と望む。事業は、社会課題を解決するために作る。「生きることとイコールなので、これからもぶれません」と言い切った。

岡山たからもん
お問い合わせ
山陽新聞社営業局広告本部 岡山市北区柳町2-1-1
電話086−803−8013 受付時間 平日10時~17時