倉敷市真備町箭田

真備町写真洗浄@あらいぐま岡山

被災した思い出の写真を洗い、救う

 思い出の一枚をきれいに―。ボランティアグループ「真備町写真洗浄@あらいぐま岡山」は、西日本豪雨で被災した写真を、できる限りきれいにして持ち主へと返す活動を続けている。
 現在は倉敷市真備町箭田の倉庫を借り、週2回活動。洗浄の基本は水洗いだが、バクテリアやカビによる破損が激しい場合などは、残存する画像を傷つけないよう細心の注意が必要で、水洗いをしないことも多い。汚れを落とした後、無水エタノールで仕上げをし、アルバムに収納して持ち主に返却する。2018年9月から活動を続けており、これまでにボランティア延べ約1万5000人が参加、50万枚余りを取り扱った。
 4年以上ボランティアを続けている前田弘さんは「ダメージの大きな写真の洗浄では『いかに元の面影を残せるか』を重視。町内の最後の一枚を洗うまで活動を続けたい」と話す。
 損傷の程度によっては、正常な画像が10円玉サイズ程度しか残らないこともある。それが被写体の一部分だったとしても、込められた撮影者の思いが家族・親族へ伝わると信じ、ボランティアは活動を続けている。
 東日本大震災以来、各地で写真洗浄ボランティアとして活動してきた同グループ顧問・福井圭一さんは「真備町地区の各家庭を巡って洗浄依頼を募るローラー作戦も終盤に差し掛かった。依頼を遠慮される人もいるが、気兼ねなく預けてほしい。未整理の状態でも構わないので、僕たちが活動しているうちに取り組みを活用し、思い出の写真を救ってほしい」と話している。

写真に込められた思い出を救う

岡山たからもん
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