瀬戸内市
キッズウェルカムプロジェクト
地元に招待し子どもたちを笑顔に
水鉄砲を持って水をかけ合い、うどんの手打ち体験で生地をこねる。写真に収められた子どもたちのはじける笑顔を見ると、今でも当時の記憶がよみがえる。
災害発生直後、報道やSNS(交流サイト)で、被災地の映像が繰り返し流された。町中に積み上げられた災害ごみ、懸命に家屋の片付けをする住民たち。そんな張り詰めた中にいる子どもたちを預かって、のびのびと過ごさせてあげたい。そうすれば保護者も安心して片付けに励めるのではないか-。 そんな思いから、岡山、瀬戸内市の主婦ら6人が2018年、「キッズウェルカムプロジェクト」と銘打ち、被災地の小学生らを瀬戸内市などに招く日帰りバスツアーを企画した。駄菓子専門店で買い物をしたり、簡易プールで水遊びをしたり、宿泊施設でヤギやエミューと触れ合ったり…。さまざまなメニューを用意した計6回のツアーには、延べ約150人もの子どもたちが参加した。
企画を進めるうちに、地元では支援の輪が広がった。子どもたちが楽しく遊べる場を用意しようと、菓子卸やゴルフ場など多くの商工業者が協力し、ツアーを知った地域住民からはスイカの差し入れが届いた。お昼ご飯を担当した市民グループは、ハンバーグやパスタサラダなど子どもが好きなメニューを手作りしてくれた。そんなスタッフからは「支援の機会を与えてくれてありがとう」との感謝の言葉も寄せられたという。 布野浩子代表は当時を振り返りながら、「この取り組みでつながった縁もあり、何かあればすぐに支援できる体制が整った。地元のまちづくりにも生かしていきたい」と話している。
水鉄砲をもって大はしゃぎ