交流の場となるカフェを
地元で開くのが夢
川相 愛佳さん(20歳 大阪市)
「一流の学校で自分を磨く」
夢は、地元の倉敷市真備町二万地区に人々の交流の場となるカフェを開くこと。「二万は地域みんな仲が良くて、私の家の周りには高齢者や子どもが多く住んでいます。小学生が安心して食べに来られて、高齢者がゆったりできる、のほほんとしたカフェを必ず開きます!」と言い、「やると決めたことは絶対にやり通す性格なんで」と笑う。
小さい頃からお菓子作りが大好き。おかやま山陽高校(浅口市)製菓科1年の時には全国和菓子甲子園で準優勝に輝いた。夢の実現に向かって自分の技術をもっと磨きたいと、高校卒業後は辻󠄀製菓専門学校(大阪市)製菓技術マネジメント学科に進学。ある程度は自信を持っていた技術が、「ほぼゼロからのスタート」と感じるほど、求められるレベルが高く、指導は厳しい。あまりにもできない自分が悔しく、泣くこともある修業の日々を支えているのが、故郷の二万への思いだ。
西日本豪雨で被災したとき中学3年生だった。自宅は1階部分が水没。避難所に行くとき、「すぐ帰れる」と思って着の身着のまま、携帯電話と財布だけを持って家を出た。お菓子作りの道具や本、洋服、カバンなどすべてが水に漬かってしまった。
被災直後から明かりが消え、暗い夜道が怖かった。「町の光となるようなカフェを開きたい」と思った。被災して将来に不安を感じたときも、パティシエになる夢をあきらめなかった。「やりたいことをやればいい」と全力で応援してくれる家族にこたえたい。
製菓専門学校を卒業したら、語学留学して、得意な英語をさらに磨く。それがもう一つの夢。「総社市は外国人が多い。海外の人も来られる店、働ける店を目指します!」
全国和菓子甲子園で準優勝(右、川相さん)=2020年11月