秘仏として普門院に祭られている十一面千手観音。脇には不動明王、毘沙門天が安置され、観音様は三十三年に一度の御開帳。三十三年という周期に込められた意味。それは、観音経に記されている観音菩薩の功徳に由来するんじゃ。「観音さまはその姿を自在に変化させることで一切衆生を災厄から救うとされ、その数が三十三身なのです。秘仏である御本尊を三十三年に一度のご開帳としているのはこのことにちなんでいいます」 生きとし生けるものすべてを救うため、ときには人間や龍などにも変化するという観音菩薩。慈悲の象徴としてあらゆる災厄に応じるために臨機応変に姿を変えるんじゃ。
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十一面千手
十一の顔と千の手を持つ徳の高い鬼。普門院に鎮座しているが出会うことはめったにない。