天平勝宝元年(749)、報恩大師の開基と伝わる天台宗の古刹じゃ。平安時代に慈覚大師円仁の命で「本覚寺」と寺号を改め、繁栄を極めたんじゃが、源平争乱で多くの建物を焼失。その後、徐々に復興して寺号を「上寺山餘慶寺」に改めたんじゃ。江戸時代、岡山藩主・池田氏の庇護を得て栄え、正徳4年(1714)再建の本堂は国指定重要文化財じゃ。6つの支院が現存し、一山一寺多院制という伽藍構成を今に伝える貴重な寺院でもあるんよ。境内では桜やハスやスイレンが咲いてなぁ、三重塔周辺には「遊慶の庭」という重森三玲師の弟子、俊軒園・岩本俊男師による浄土空間が広がっとって、参拝者の心を和ませとるんよ。
49
三重塔観音
蓮の花の上にじっと目を閉じ優雅にたたずむ姿は神々しくもある徳のある鬼。