学生による表町活性化の拠点
岡山県立大学 ガクステ
学生目線でまちづくり。
学生による学生のための「場」づくりをー。22年11月、表町商店街にある商業ビルの3階を借りて「学生ステーション(ガクステ)」がオープンした。企画・運営するのは、岡山県立大学「デザインプロジェクト演習」を履修する3年生。同大学では3年前から「表町商店街の活性化」に取り組んでおり、これまでストリートファニチャーのデザイン・制作や商店街周辺の建物風景を記録・発信する活動、SNSを活用した情報発信などに取り組んできた。「ガクステ」を拠点に、学生による商店街活性化の動きを発展させたい。空間の改修プラン作成にかかわった藤渕寿菜さん(21歳)は「県立大学以外の学生にも利用してもらって、お互いの活動を共有し、一緒に何かできたらいいな」と期待する。
実践が深い学びにつながる。
大学が地域課題に取り組む意義について、同大学デザイン学部建築学科の畠和宏准教授は「学生ならではのアイデア、学生だからできることがあります。歴史のある表町商店街に、学生が起爆剤的な役割を担えれば。単年度でなく継続的にかかわることが大切。活動が3年目を迎え、商店街の皆さんに認知されて、こういうことをやってほしいと相談を受ける機会も増えました。大学での建築教育は実践が難しいのですが、地域の人とコミュニケーションをとりながら学生が考え、デザインしたものが使われ、反応がもらえるのは、学生にとって深い学びにつながります」と話す。
商店街の魅力を
SNSで若い人にPR。
「依頼者の方の話を聞いて、そのお店だけでなく、商店街にも人を呼べるようにどんなことをしようか、3つ提案をしました。年齢も生活も立場も違う人たちの意見を得られるのが面白い。そういう見方もあるんだと勉強になります」と話すのは、渡辺珠羽さん(21歳)。21年にこのプロジェクトに参加した卒業生の吉田きなりさん(23歳)は、「表町商店街エリアには面白い店がいっぱいあるので、PRしたら若い人ももっと来るのでは」とSNSで情報発信を担当。フォロワーは1500人を超え、今も活用されている。 新しい文化や情報の発信基地ガクステに、商店街の人たちも期待を寄せる。